第二十七回 In my room「消え行く星の多さよ」
父は病院で死んだ。実家からバスで通いながらずっと別れの儀式をしていたので死に目に会えなかったことに心残りはないけれど、母の死に目会えなかったことは今でも心の片隅に巣食っている。
今までコロナで亡くなった7千数百人の死に目に会えた人は誰一人としていないだろうし、荼毘にさえも立ち会えなかった人も多い。
悲しみはいつもアスファルトの下をヒソヒソと地下水脈のように流れ、天空を流れる嘆きの河の深さを誰が知る。
<第二十七回 In my room「消え行く星の多さよ」、2021年2月16日>
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空に花を投げて 消え行く星の多さよ
夜さえ眩しくて
月の朝も 雲の朝も 白い朝も
雪に花を投げて 別れる星の多さよ
悲しみもまた
風に花を投げて 消え行く星の多さよ
嘆きさえ消されて
虹に花を投げて 別れる星の多さよ
空行く舟を見たか
雨の朝に 星の朝に 水の朝に
第二十七回 In my room「消え行く星の多さよ」